るはずである』私は、この言葉に心底感銘を受け、このように生きたいと念じてきましことこそ使命であり、生き様であると己に言い聞かせてきました。しかし、だからと言ってそれが世間に誇れる程の人生だったかといえば、とてもその自信はありません。もっと、頑張れたのではないかと問われればそうかもしれません。でも、正直言ってもう疲れてしまったのです。もう、この辺でいいか、という気持ちになりました。それに、何よりもいま、無性に母に会いたいのです」た。一度しかない人生は、自己中心に生きるほど長くないと言い聞かせ、自分なりに精進してまいりました。共通の志を持った同志と、人智を超えた崇高なものを求めて歩んでいく健太郎は正直にそう答えた。 5クレオメの咲く道
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