ここに謹んで『会計で会社を強くする』第二版を上梓させていただきます。早いもので第一版を平成二十年八月に刊行してから四年あまり。お陰様で第一版は予想を超える多くの読者のご支持を得ることができました。第一版では、平成十七年八月三日に公表された「中小企業の会計に関する指針」(以下、「中小指針」という)をもって「会計で会社を強くする」という筆者の願いが最終的に結実されたと結論づけました。しかし残念ながら話はここで終わりませんでした。まるでネバーエンディングストーリーです。「中小指針」が定める会計処理の内容が大企業会計基準を簡素化したものになってしまったのです。結果として「中小指針」はわが国の中小企業に浸透することはありませんでした。こうしたことから、改めて中小指針に代わる「中小企業の実態に応じた新たな会計ルール」策定の運動が始まりました。その展開は以下のとおりです。 「3行動指針」の「六.中小企業向けの金融を円滑化する」の中に「中小企業の実態に即した会計制度を整え、経営状況の明確化、経営者自身による事業の説明能力の向上、・『中小企業憲章』の閣議決定平成二十二年六月十八日)第二版 はじめに (5
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