中小企業の財務経営力を強化するここで改めて、わが国の「金融と経営支援の一体的取組」という中小企業政策をご紹介します。私が委員として参加した中小企業政策審議会・企業力強化部会（平成二十三年）の会議において、事務局から左頁の図が提示されました。この図が示す内容は、私が従来から提案してきた、“会計で会社を強くする”という発想に極めて近いものです。まず、左頁の図下囲みの「経営支援の担い手の多様化・活性化」の囲み部分は、「イギリス・アメリカを見習って職業会計人を積極的に活用すること」に相当しています。これは、税の専門家である税理士を、法的な裏付けをもって、会計、経営、中小企業金融の専門家としても位置づけることを意味しています。また、前頁の図下囲みの「支援機関と金融機関の連携強化、人材育成」は、従来から地域金融機関が行ってきた地域密着金融をより積極的に推進するとともに、地域金融機関と「支援機関である税理士・税理士法人」等との連携を強化することを打ち出しています。ここで 7（1）会計帳簿を経営に活かす仕組みとは114
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