本書は、税理士としてわが国の経済基盤を支える中小企業の健全な発展を願い、ライフワークとして会計と税務の理論と実務を探求されてきた坂本孝司先生の画期的な著作です。本書の構成は、「会計」の本質についての研究成果をまとめた前半部と「会計で会社を強くする」ための具体策を二十五項目のアクションプランに集約した後半部とで章立てされています。坂本先生は、神戸大学経営学部で武田隆二先生のもとで会計学を学び、多くの学友が大企業監査の道へと進む中で、「会計で中小企業の経営に貢献したい」との強い使命感を抱いて税理士の道を選択され、昭和五十六年に郷里の静岡県浜松市に会計事務所を開業されました。しかし開業後は、税理士を単なる事務代行屋と見なす経営者を前にして、理想と現実のギャップに苦しみ、会計事務所においては地道な会計指導を続けながら、一人の研究者として研鑽を重ね、ついには東京大学法学部大学院に進学し、博士課程を修了されました。そこでつかんだ確信は「会計は会社を強くする」というものでした。その研究の道のりは、TKC全国会の初代会長であった飯塚毅博士の所説を手がかりとしながらも、会計の本質に関する歴史的研究をさらに深められ、その成果として今日米国発のグローバルスタンダードに洗脳された多くの会計学者が見失っている会計の本来の機能について、その本質を突き止め、人類の英知とも言うべき会計の効用復活を提唱されています。推薦の言葉 1
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