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iiTKC全国会 資産対策研究会代表幹事 今仲清執筆者一同 新様式では「総合所見」欄が設けられましたが、本書の記載例では、「相続税申告業務の委任に関する約定書」と「完全性宣言書」を交わしていることを前提に書いています。これらの文書は法人税申告における書面添付の場合も交わしており、相続税の場合には特に重要だと考えています。 法人税申告の場合は、月次巡回監査を行った実績に裏付けられた相互の信頼の上で添付書面が出来上がっていますが、相続税申告の場合は依頼を受けてから、被相続人の相続開始から10か月以内という短い期間しかありません。書面添付の精度が高く結果として税務調査の少ない税理士事務所では、この間に月1回以上2週間に1回程度お客さまのところに出向いて事前調査等を行い、そのコミュニケーションの積み重ねによる依頼者との相互の信頼形成を非常に重要視しています。そのような事務所の方針や考え方が「相続税申告業務の委任に関する約定書」と「完全性宣言書」に込められているのです。最初にそのことを分かりやすく依頼者に説明し、文書を交わすことにご納得いただくことが、相続税申告業務を受任する際の最も重要なポイントの一つといえます。 納税者にとっての安心というのは、つまるところ「税務調査がない」ということのはずです。それを書面添付によって実現することが、お客さまへの質の高いサービスの提供であり、職務として当然であると位置付けることが必要ではないでしょうか。 本書が一人でも多くの皆さま方の、一件でも多くの相続税の書面添付の実践につながれば著者一同幸甚に存じます。

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