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i 令和4年税理士法改正を受けて、令和6年4月1日以降に提出する同法第33条の2第1項に規定する添付書面の名称が「申告書の作成に関する計算事項等記載書面」となり、資産税に対応する様式が新たに制定されることになりました。 相続税は法人税の場合とは異なり、巡回監査を行っていることが前提の書面添付ではありませんが、巡回監査という制度のない、いわば積み重ねてきた監査の結果ではない申告をするという場合においても、しっかりとした事前調査を行い、それに基づく添付書面を作成することで十分に品質を担保することができます。 相続税申告書にしっかりとした書面添付を実施している場合は、税務調査率は低いと考えられます。また、意見聴取においても、添付書面の記載の中で、調査官の立場で見て追加で確認をしておきたいというケースがあるときに行われるというのが私たちの印象です。そこまで品質の高い添付書面を作成するためには、そのレベルの仕事をするということが前提で、高い実務能力が要求されることはもちろん、民法、商法、会社法、税法に精通した上での申告を行うということが肝心になります。そういう意味で、書面添付の実践は事務所の実力アップにもつながっていくといえます。 この度の新様式制定にともない、TKC全国会資産対策研究会の業務開発部会、及び研修部会の会員税理士が中心となり『相続税の申告と書面添付―安心の相続を実現するために―』(TKC全国会相続税書面添付検討チーム編、2015年)の内容を実務面に絞って改訂し、相続税申告の書面添付の経験が少ない方でも比較的短時間で要点が理解できる書籍を作成いたしました。はじめに

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