面から取り上げ、税金を使って支援していくには、とても長い年月がかかり、政府に頼っていてはいつまでも支援を受けられない場合があります。こうしたことから、非営利組織は、「多数の人の支持を得られない、あるいは理解されないかもしれないけれど大切な問題に取り組む組織」として必要とされているということができます。また、国民の大多数の支持がある場合でも、政府の行動には、煩雑さ、対応の遅さ、官僚的な反応などがつきものです。例えば、震災支援に際して政府は、迅速性や柔軟性に欠けている部分があるとしばしば指摘されます。公平性を重視する政府としては致し方ない部分もありますが、政府の支援の限界を感じるところです。このように、公平性を重視するあまりに迅速性や柔軟性に欠ける政府を補うために、非営利組織が必要だともいわれています。009図1.3 非営利組織はなぜ必要なのか?市場の失敗市場原理では供給できない財やサービスがある政府の失敗税金を原資とするため、柔軟性や機動性に欠ける多数の人の支持や理解が得られない問題に取り組めない非営利組織が必要
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