A 非営利法人の制度は明治の時代からありましたが、行政の縛りがきつく、自由な活動が制限されていました。1998年にNPO法が成立し、行政の指導監督を受けずに簡易に法人格を取得できる非営利法人の制度が生まれました。2008年には、公益法人制度改革により、従来の公益法人制度が、2つの制度に分かれ、簡易に法人格が取れ、自由に活動できる一般社団法人・一般財団法人と、公益認定等委員会などの認定を受けて税制上の優遇がある公益社団法人・公益財団法人の制度ができました。非営利法人という法人自体は昔からありました。我が国においても、財団法人・社団法人などの公益法人の制度は1896年(明治29年)の民法制定の時点で存在していました。しかし、現在の制度とは違い、公益法人の設立には行政の許可が必要であり、公益性の有無等の審査は行政の裁量に委ねられていました。しかも、設立後も行政の指導監督のもとにおかれて、自由な活動が制限されていました。つまり、民間が行政からの指導監督を受けずに公益的な活動をしようとしても、非営利法人となる道はなく、株式会社として活動するか、法人格は取らずに任意団体として活動するしかありませんでした。例えば、不登校の子どもなどが通うフリースクールは、学校法人や社団法人として設立することはできませんでした。フリースクールを運営する団体が法人格を取得しようと思ったら、株式会社などの営利法人にするしかなく、法人格は取りたいけれども、仕方なく任意団体として活動している団体がたくさんありました。これに風穴を開けたのが、1998年のNPO法の成立です。行政の指導監督を受けずに、簡易に法人格を取得できる非営利法人の制度が生まれ、フリースクールのような団体でも非営利法人として設立できるようになったのです。004非営利法人の発展プロセス非営利法人の歴史を教えてください。1.従来の社団法人・財団法人の制度QQ0202
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