8公益社団・財団法人の貸借対照表の区分経理は、法令で義務付けられました(認定法第19条第1項、認定法施行規則第42条第1項、平成20年会計基準を適用する場合のため暫定的に3年間の経過措置が法令上もある(同第3項))。ただし収益事業等を行わない公益法人では、貸借対照表の区分経理を行わないことができることとしています(認定法施行規則第43条)。この場合は、法人運営を行うために必要な財産以外の財産を、全て、公益目的事業のために使用等しなければなりません。関連法令・ガイドライン等1. 区分経理を行わないことができる公益法人の要件(ガイドライン第5章第1節第4(2)③)小規模法人の負担等に配慮し、収益事業等を行わない公益法人であって、各公益目的事業ごとの内訳を損益計算書に表示している場合(単一の公益目的事業のみを行う法人の場合、損益計算書の作成をもって当該要件は当然に満たす)には、区分経理を行わないことができることとしている。この場合には、法人運営を行うために必要な財産以外の財産を、全て、公益目的事業のために使用等しなければならないとされている。2. 区分経理しない場合の公益目的事業財産等(ガイドライン第5章第1節第4(1)②)法人活動保有財産(2号財産)、資産取得資金(4号財産)、特定費用準備資金(5号財産)及び指定寄附資金(公益目的事業の用に供するものを除いた6号財産)以外の財産は公益目的事業財産になるため、公益認定の取消を受けたときには、他の公益法人等に寄贈する財産がより多く算定される傾向があります。個々の財産を会計区分別に区分することは煩雑であり、公益法人は認定取消を前提に活動するわけではないので、専門家に相談したうえで運用しやすい会計処理方法を選択することも必要と思われます。収益事業等を行わない法人は、一定の要件を満たせば区分経理を行わないことができるが、その場合、法人が保有する公益目的事業財産が財務諸表において明らかとなっていないことから、明らかに公益目的事業財産に該当しない「法人の運営を行うために必要な財産として内閣府令で定めるもの」を除き、全ての財産を公益目的事業のために使用又は処分しなければならない(認定法第19条第2項で読み替えて適用する認定法第18条)。当該財産は「公益目的事業財産等」として、公益目的取得財産残額の算定の基礎にもなる(認定法第19条第2項)。「法人の運営を行うために必要な財産として内閣府令で定めるもの」は、その使途が法人の運営のためと特定され、かつ、他の財産と区別された財産であり、使途不特定財産の保有規制における控除対象財産(認定法施行規則第36条第3項各号)のうち、法人活動保有財産、資産取得資金、特定費用準備資金及び指定寄附資金(法人活動保有財産及び指定寄附資金にあっては、公益目的事業の用に供するものを除く)が該当する(認定法施行規則第44条)。これらの財産は、仮に区分経理を行う場合、いずれも法人会計に帰属する財産であるが、区分経理を行わない場合であっても、貸借対照表の注記や財産目録又は附属明細書に表示する必要があるものであるため、特定可能な財産である。貸借対照表の区分経理A4Q4貸借対照表の区分経理は必須なのか。公益目的事業以外の事業がない場合で貸借対照表を区分経理しないと、認定取消時の贈与財産が増えることで不利な扱いを受けないか。
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