2つあります。1つは、「何事もポジティブに捉える」ということ。仕事って正直、楽しいことばかりじゃないですよね。一生懸命自分の仕事と向き合っているから、時にはつらいことや大変なこと、理不尽なことに直面する――というものではないでしょうか。だからこそ、「何事もポジティブに捉える」ということが大事だと思っているんです。
法律や倫理に触れることは別として、よっぽどの理由や事情がない限り、通常、会社員であれば振られた仕事に「NO」とは言えません。でも、「また仕事を振られた」という捉え方では、ストレスもたまっていってしまいます。
ですから、「どうせやるなら、妥協せずにとことんやろう!」という心持ちでいるよう心掛ける。そうすると何事も楽しんで乗り越えられますし、校了後の達成感も格別。新しい仕事にチャレンジできる機会を多くもらえるから仕事の幅も広がるし、その分、自分の経験値も上がります。
もう1つは、「意識的に多くの情報を浴びる」こと。例えば、欲しいものがなくても書店や家電量販店、百貨店などに立ち寄って今売れている本や商品、トレンドをチェック。インスタやフェイスブックなどのSNSもよく見ますね。YouTubeはもはや日課です。好きなチャンネルを見ながら寝落ちするのが心地良いんですよね。もちろん、テレビも見ます。お笑い番組は必ずチェックしますし、1クールごとにドラマやアニメの第1話を録画して、退社後や休日に継続視聴するかどうか決めています。なるべく偏見をもたず、浅く広く大量の情報を浴びるようにしているんです。
これは全部、人とのコミュニケーションをよりよいものにするためです。インプットしている情報量やジャンルが多ければ多いほど、取材や会食のときに会話の糸口や共通項を見出すチャンスが高まりますから。情報量が豊富な人とそうでない人とでは、コミュニケーションに差が出ると思うんですよね。
何より、共通の会話で盛り上がることができれば単純に楽しいし、本音を言いやすい関係がつくれる。良い制作物づくりにもつながりますから、まずは人との会話を楽しむことが、編集の仕事のベースになると思っています。